#36 [ジャンケン]
#36 [ジャンケン]
世界各国で違いはあるが、隣の国同士ではどんな違いがあるのだろうか。
一番最初に感じた違いは出し方だ。
グーとパーは同じだが、チョキだけ日本では人差し指と中指を出すのに対し、韓国では人差し指と親指を出す。
韓国の友人に聞いても理由が分からないが、日本のように指を出す人もいるので個人の出しやすさでは無いかと言った。
次に感じたのは掛け声だ。
日本語では"ジャンケンポン"、韓国語では"カウィバウィボ"だ。
韓国語のカウィバウィボはそのまま見たままの意味でカウィ(가위)はハサミ=日本語のチョキ、バウィ(바위)は岩=日本語のグー、ボ(보)は風呂敷=日本語のパーという意味だ。
英語のRock, paper, scissorsと同じ見た目を表した比喩だ。
日本語のジャンケンの語源は説があり過ぎて、未だに解明はされていない。
昔、中国から流れて来た言葉(広東語)とも言われている。
その為、韓国語のように掛け声の"ジャンケンポン"自体にハサミや岩や風呂敷(紙)の意味は無い。
そして別で"グーチョキパー"と言うが、掛け声に使う訳では無い。
グーはグッと拳を握る様子、チョキはハサミでチョキチョキ切る様子、パーは手をパッと開く様子を表す。
韓国とは違い、様子や動きを表す。
ジャンケンの前に言う謳い文句はどうだろうか。
日本語の場合は"出さなきゃ負けよ"、韓国語は"안 내면 술래"(出さなきゃ鬼)または"안 내면 진다"(出さなきゃ負けだ)だ。
ほぼ一緒だ。
ただ日本には"最初はグー"という掛け声があり、全員、グーでタイミングを合わせる方法がある。
これは志村けんさんが広めたギャグの一つで日本にしか無い掛け声だ。
もしかすると"出さなきゃ負けよ"より"最初はグー"を使う日本人の方が多いかもしれない。
そしてジャンケンしてる姿を想像すると韓国には"あいこ"の掛け声が無い事に気付いた。
日本では同じ物を出した時、"あいこでしょ!"と言って次を出す。
それに対し、韓国はどちらかが勝つまで"보(ボ!)"と言って、次を出し、繰り返す。
ジャンケンだけでもこれほどの違いがあるのが、不思議だ。
昔の歴史や文化、遊びが人や物を伝って語り継がれて、今日にこうして残っているのが面白い。